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ライドシェアアプリ「Grab」と宅配アプリ「Foody」のおかげで、ベトナム語わからなくても問題なかった話

FAN4(Fablab Asia Network 4th)に参加するため、2018/4/30 - 5/8までベトナムのホーチミンに行ってきた。

通貨レートは1円=207.48ドンとかだったが、だいたい1円=200ドン、というざっくり計算で行ってきた。なので文中もそのざっくり計算である。

エアコンの効く金属の箱を現地語詠唱なしで召喚できるgrab carは最高

アメリカにおけるUberやLyftのような白タクアプリとして東南アジアではgrabがメジャーだ。先日までUberも進出していたが撤退したらしい。

日本国内で事前登録して行こうと思っていたが、クレカがアプリから登録できなかったり再現性のないエラーが出たりして面倒なので、現地の空港についてSIMゲットしてから登録作業をやるのがおすすめ。簡単な英語がわかれば問題なくクレジットカードも登録できる。住信SBIネット銀行のVISAデビットカードは登録できた。LINE Payカードは登録不可。JCBは登録不可のようだった。

僕はベトナム語の数字すらわからないし、タクシーの運転手さんも英語あやしいので、ユーザー名を「I am JAPANESE」に設定し、

「僕はベトナム語わかりません」

という一文をgoogle翻訳でベトナム語にしてGoogle Keepにメモしておいて、ドライバー連絡欄にコピペして予約。

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「ドライバーついたよ」って通知がきたら表示されてるナンバープレートの車を探して乗り込んで、「Hello! Let’s go!!!」って言えば予約時に指定した目的地まで『無言で』連れて行ってくれる。 たくさんgrabの車が集まっている場所(ホテルの前とかショッピングセンターとか)だと別のgrabの運転手が目で合図してくるので、別の車に乗らないようナンバープレートを全桁確認しよう

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ドライバー連絡用の簡易チャットがついてて、用意されてる定型文なら翻訳して出してくれるっぽい。思ったより早くドライバーが到着したときには、「5分くらい待ってて!」っていう定型メッセージ送っておかないとドライバーがさっさとキャンセルして別の客を探しに行ってしまう

事前にクレジットカード決済を指定してあると、降りるときは「OK, Thank You!!!」って言いながら降りる。現金のやり取りもないので金額をベトナム語や英語で聞き取る必要もないので楽。現金で払うときも、ドライバーも画面指さしながら何か言ってくるのでその額をそのまま払えばいい。

タンソンニャット空港から車で出るときは10,000ドン(50円)追加で必要(出口のゲートで徴収される)なので、空港から乗るときも空港で降りるときも、アプリでドライバーがその額を追加する操作をするが、トラブル防止のためか大げさに画面を見せて指さしながら操作するので好印象だった。

市内の移動だと価格はだいたい60,000ドン(300円) ~100,000ドン(500円)くらいだった。普通のタクシーだとタンソンニャット空港→ホーチミン市内で200,000ドン(1000円)くらいの距離が120,000ドン(600円)くらいらしい(grab以外の乗り物に乗らなかったのでよくわからない)。

Uberと同じく、スコールが降り始めたり週末の夜だったりして需要が増えると値段が上がるので、ちょっと雨宿りして雨がやんでから予約すると安かったりする。まあ高い時間帯でも日本円だと600円くらいなので気にせず使ったが、需要の高い時間だと連続でキャンセルされることがある。クレカ決済だとキャンセル時に返金がリアルタイムではないが、10回くらい使うと使えるようになる「Grab Pay」というプリペイドアカウント(クレカでチャージできる)を使うと、キャンセル時の返金がリアルタイムで、かつ毎回1,000ドン(5円)くらい安い。シンガポールではこのGrab PayをWechat payみたいな携帯少額決済プラットフォームとして広げていこうとしてるっぽいが、携帯少額決済自体が他社含めまだベトナムでは一般的ではなかった。

朝から30度超えで、時折激しいスコールが降り、道に脛くらいまでの深さの水たまりができて、狂犬病の注射してなさそうな野良犬が歩き回り、スクーターが数センチ先を走り抜けていく街中を、エアコンの効く金属の箱で移動するのは非常に快適だった。

会議の会場が大きな街道をはさんでホテルの反対側で、徒歩で渡れそうな横断歩道まで迂回すると15分くらいかかることが分かった2日目からは近所のホテルに泊まっていた友人たちとgrabに相乗りして行くことにした。最終日が近くなってからインドや台湾の友人にくっついて渡ってみたが、「赤信号みんなで渡ればこわくない」とか絶対嘘だ。怖いわ。結局、ほとんどの移動時にGoogle mapで目的地まで徒歩15分以上の表示が出たら近所のカフェに入ってgrabを呼んだ

スクーターの後ろに二人乗りして運んでくれるgrab bikeも興味があったが、空港を一歩出たときのバイクの混雑とスピードと車間を見て命が惜しくなったので一度も使わなかった。

ローカル屋台飯をホテルで食えるデリバリーアプリが最高

「Foody」というベトナムのぐるなびみたいなサイトが出してるアプリでUber Eatsみたいに出前が頼める。ホテルに朝食がついていなかったのと、朝から外に出ると暑さでやられそうになったので、毎朝デリバリーしてもらった。

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店の個別画面からメニューを選んで注文すると、運営元のコールセンターが発注したユーザーと運び屋のバイクドライバーに連絡付けて店まで買いに行かせて届けてくれるアプリだ。

レストランやマクドナルド、屋台の飯までいろいろな店に注文できる。メニューはたまに写真がついているものもあるし、メニュー名のベトナム語をGoogle翻訳に打ち込んで「鶏肉が塊でのってるおこわかな?」くらいの情報を得て注文する。

しかしベトナム語の電話確認が来るとどうしようもないので、ホテルのフロントのおにいさん(英語話せる)に事前に了解を得て、自分のアカウントの電話番号欄にホテルの電話番号を入れる。そして、

「〇〇ホテルの〇〇号室です。電話番号はホテルのフロントです。ホテルのフロントから〇〇号室にお電話ください。」

って一文をgoogle翻訳でベトナム語にしたやつを連絡欄に入れる。
そうすると、コールセンターがフロントに電話して届け先の確認してくれて、注文した品がフロントに届く。

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部屋までフロントのおにいさんが英語で連絡してくれるので、フロントまで受け取りに行けばいい。ドライバーの話すベトナム語が分からなくても、フロント前ならフロントのおにいさんが英語で助けてくれる

こちらのアプリは決済方法にカードが登録できなかった(登録画面自体はある)ので、フロントで対面したドライバーに現金で支払う。支払額はアプリ画面内で事前にわかっているので、市内で買い物するとたまっていく小銭(2000ドンとか500ドンとか)をまとめて用意しておいて払った。市内で買い物するとき、支払額が聞き取れないのでまあこのくらいだろう、という大きめの額を出してお釣りをもらうので小銭(紙幣だけど)がたまるのだ。

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屋台飯を頼むとたまにこんな感じで半調理の生肉とか卵がやってくる。たぶん店だとこれに熱いスープを入れてその熱で火を通すんだろうが、スープは配達中に冷めているので、ホテルについていたキッチンでスープと具を十分に加熱して食べた。水も屋台の怪しい水ではなく徒歩5分のところにあるミニストップで売っている水を飲みながら食べられる。ビオフェルミン飲んで乳酸菌で防衛できる。日本から持ってきたアルコールの除菌タオルも使い放題だ。かくして軟弱な日本人の胃腸は守られたのだ。

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また、これに薬味(?)として生野菜が一房まるっとついてきたので、入れたい場合はミネラルウォーターで洗いなおしてから刻んで入れるとよい。なので、ホテルを選ぶ際はキッチン付きを選択することをおすすめする。最近は民泊も増えていて安く選択できることも多い。

値段は配送料(25,000ドンくらい)とかサービス料(10,000ドンくらい)を含めてもだいたい60,000ドン(300円)~130,000ドン(650円)くらい。ローカルの食堂や屋台から持ってくるのもあるのでもともとめちゃくちゃ安いのもある。結構量が多いので、安いからといってバインミー2つとか頼むと満腹でつらい。あの量食ってるのになんでみんなスリムなんだよ。

アプリで完結する生活は外国語話者にも優しい

一切現地のベトナム語話さずに1週間滞在して安全に楽しんでお土産買って帰れたのは主にこの2つのアプリのおかげなので、ホーチミンに行く人は入れておくと便利。

日本でも似たようなサービスがあるが、熊本の山の中まで来るのはいつになるかわからないし、ホーチミンという大都会で体験できたのは楽しかった。

一つ発見だったのは、ドライバーや運び屋と音声通話以外の手段で連絡できる設計だと、現地語が話せない人間でもストレス少なく利用できるんだなあということだった。つい昨日発表されたGoogleのAI秘書が日本語やベトナム語で使えるのは中国語よりずっと後回しだろうし、定型文付きのチャットや担当者へのメッセージ欄はしばらくは必要なんだろうなと思った。Google翻訳使って文章作れて、発音しなくてよければ外国語にビビらなくて済む日本人は多いだろう。

ベトナムで僕が日本語話せるドライバーや店主に出会ったら100%ぼったくりだろうなと思って対応したし、たぶんそれは日本に来る外国人も同じだろうと思う。なので、日本人も外国人観光客のために頑張って外国語勉強するよりは、彼らが母国語で使えるアプリを増やしてサービス側でもそれに対応するほうが先じゃないかなあと思った。

はー、すでにベトナムの味が恋しい……。

カテゴリー: 旅行記